アズマ、高強度ジーンズ用ミシン糸

2015/03/06 06:02 更新


 工業用ミシン糸主力の副資材製造卸アズマ(東京)は、独自のジーンズ縫製用ミシン糸の開発・販売を強めている。この間は主力製品の加工見本帳を刷新。縫う生地になじむ自然な風合いとともに、高強度・安定品質など性能の高さを訴求する。一方で中国とベトナムでの現地企画・生産にも力を入れ、価格競争力も高める。

 自社ブランド「キンバ」シリーズの主力製品「キンバコア」を軸に販促を強化している。キンバコアはポリエステル長繊維を芯に綿でカバリングした糸。デニムと同じように糸も色あせ、糸が生地になじむため自然な経年変化が出る。加工見本帳の刷新に伴い、色数を増やし、ジーンズの製品サンプルも揃えた。

 高速縫製やハードな加工に対応する強度も備える。縫製工程は高速・効率化、加工はハードになってきた。縫製途中で切れる糸だと縫製効率は低下し、加工で弱る糸だと不良率は上がる。キンバコアは「従来品の1.5倍の価格だが、コストパフォーマンスは良い」という。

 一方、ポリエステル短繊維、同長繊維で後染めに対応したミシン糸の海外生産にも注力。日本企画中心だったが、中国・上海の法人で企画・開発機能を増強。中国とベトナム・ハノイの生産網を活用し、欧米や中国企業から求められる品質とコストのバランスを追求する。

 縫製工程の自動化も進んでおり、ミシン糸の強度と安定した品質はより一層高いレベルを求められる。キンバシリーズは「自動機にも対応できる」(同社)とし、販売シェアを拡大する考えだ。「日本で取り組んでいるようにミシンメーカーとも連携し、縫製効率を上げるミシン糸として提案したい」という。



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