「24年度百貨店バイヤーズ賞」レディス部門 27ブランドが受賞
繊研新聞社が主催する24年度百貨店バイヤーズ賞レディスの部門賞が決まった。24年春夏と秋冬の結果をもとに、全国の百貨店バイヤーから推薦の多かった各部門で27のブランド及びカテゴリーを選出した。
24年度は売り上げの伸び率や集客にバラツキがあったものの、インバウンド需要や顧客対応、コンセプトやテイストが明確なブランドでは前年比2ケタ増が見られた。新作発売や多様なアイテム強化、店頭催事で集客に貢献したブランドも選ばれた。
ベストセラー賞の婦人服トータルでは、インバウンドやフェアなどの集客、サイズやアイテムバリエーション、残暑に対応した軽衣料強化などで売り上げ増となったブランドが目立った。残暑で秋冬物のアウターが後ろ倒しとなるなど影響を受けたが、アイテム集積の晴雨兼用傘は、長い夏対応として貢献した。「ハルメクおみせ」は、カタログ通販から厳選した商品を揃え新たな客を掘り起こした。
「24年度百貨店賞」 各部門に10店・企業を選出
百貨店賞は10店・企業を選出した。コロナ禍を契機に変化した消費やライフスタイルに対応した改装が相次いだ。
既存顧客の深耕とともに、若年層をはじめとした新規顧客の獲得につなげる戦略が拡大。顧客との関係性を深めて、百貨店ファッション領域の再構築に挑んでいる。国内客と同様に、インバウンド需要のさらなる取り込みが課題の一つだ。
イノベート賞は、婦人服や紳士服、服飾雑貨が、ラグジュアリーブランドのほか国内外のクリエイター系やモード系の新規ブランドを導入し、新たな需要を掘り起こした。既存ブランドでもCRM(顧客情報管理)データを活用した高感度・高品質な品揃え、サービスを通じて新規顧客の獲得に結び付けている。
イベント・販促部門は、カテゴリーに捉われずに商品を編集して買い回りを促し、店舗の発信力を高めた。
ES賞は、1月1、2日を休業にして従業員の働く環境を整えた点に評価が集まった。
サステイナブル賞は循環型ビジネスモデルの構築を目指した新事業、キラリ賞は耐震工事に伴う全館改装で時間消費型の店作りを評価した。