【ニューヨーク=杉本佳子通信員】米オーセンティック・ブランズ・グループ(ABG、ニューヨーク)は、バーニーズニューヨークの知的財産権の買収に成功したと発表した。ABGはバーニーズの知的財産権だけでなく、フレッズ、フレッズフードなどの関連ブランドを合わせて七つの商標権を取得する。ABGはその商標権を活用して、「バーニーズ」をブランドとしてグローバルに展開していく考えだ。
【関連記事】バーニーズニューヨーク チャプターイレブンを申請
日本に関しては、ABGはセブン&アイ・ホールディングズとバーニーズの契約を維持し、現在日本にある12店は存続する。買収は、10月31日にニューヨーク州南部地区破産裁判所で最終的に承認され、11月1日に取引が完了する見込み。完了に伴い、バーニーズNYのすべての店は閉店となる。
ABGの提示額は2億7100万ドル。これに対し、セレクトショップ「エイトリアム」及びメンズ合同展の「リバティーフェアーズ」を立ち上げ、ストリートブランド「キス」の投資家でもあるサム・ベン・アブラハム氏が、対抗馬として資金集めをしてきた。
アブラハム氏はバーニーズNYの店舗を維持する考えで、「#savebarneys」のハッシュタグを使ってソーシャルメディアのインスタグラムで賛同者を募ってきたが、ABGの提示額を上回る金額を期限までに集められなかった。
ABGが「勝利宣言」した後も、アブラハム氏側は「31日までは何も終わらない」と、31日まで資金集めを続ける意思を表明している。アブラハム氏は、「バーニーズはニューヨークのファッションのカルチャー的シンボルであり、店を残すことは2000人近い従業員の雇用も守れる」と主張している。