「アタミコレクション」開催 市民をモデルに地域振興

2019/10/30 10:59 更新


 静岡・熱海市を拠点に活動するブランド「エタブルオブメニーオーダーズ」(EOMO)のデザイナー新居幸治・洋子夫妻を中心とするあたコレ実行委員会は27日、市内のホテルでファッションショー「アタミコレクション」を開催した。小学生から85歳まで、53人の老若男女が市民モデルとして参加して会場を沸かせた。

 EOMOはこれまでにも熱海でショーを行ってきたが、今回は熱海市と熱海市観光協会が後援について、地域ぐるみの取り組みとして企画が進んだ。

 最初に行ったのは市民モデルの募集。「都会から少し離れたファッションタウンとして熱海を盛り上げるべく、ショーにご参加を」という声かけに、予想外に多くの参加者が集まった。デザイナーの子供と同級の小学生や、子育て真っ盛りの母、ファッション好きの若者、地域の保険外交員。子供や若者だけでなく、60歳以上の人も多かった。「若き日にやり残したモデルに挑戦したい」「年をとることは素晴らしいと伝えたい」と、手を挙げたという。熱海在住のモデル・ウォーキング講師の田中レーヌさんによるウォーキングレッスンを約2カ月で4回受けて本番に臨んだ。

 ショーの第1部は、EOMOの19年秋冬と20年春夏コレクション。昭和レトロのムードが漂うホテルの大広間に、花やハチから着想した服を披露した。ハチミツ色のセーターに、ハニカム状のキルティングで仕立てたフレアスカート、体を柔らかく包み込むドレスは山吹色や緑青色に染められている。木の取っ手のバッグや畳張りのバッグとともにナチュラルで心地よい服が揃った。

ショーの第一部はEOMOの19年秋冬と20年春夏コレクション

 第2部では「私の好きを着る」と題して、市民モデルが思い入れのある服やきものを着て登場した。

 来場者は約250人。デザイナーの新居洋子は「地域に貢献することはお金ではない充実感がある。ポジティブな取り組みになりました」と言い、市民同士の交流も増えたという。ショー後、熱海市内のEOMOの直営店にも客が集まった。運営は市の助成金に加えて、クラウドファンディングで得た50万円で行った。

会場では市民モデルの意気込みをつづったパンフレットが配られた


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