「アストリッド・アンデルセン」は初のデジタルショーとなる20回目のキャットウォークで、新たな一歩を踏み出した。デビューと共にラグジュアリースポーツウェアのムーブメントを巻き起こし、ヒップホップアーティストとファッションを結ぶきっかけとなった。
21~22年秋冬はガチガチのスポーツの要素が減り、よりストリートを感じるコレクション。05年にスタジオ兼ショップをオープンした、コペンハーゲンの多人種多文化地区ノアブロでのモデルキャスティングもその雰囲気を演出した。今の閉塞(へいそく)的な世の中からの解放を願ってか、ハワイアンプリントがシャツやショーツ、そしてベースボールシャツとの半身コラージュと多用された。コラージュは彼女にとって重要で、今年初めにブランドの10年間のストック素材をはぎ合わせて作ったカプセルコレクションが原点。半袖シャツやクロップドのタンクトップを、濃淡の違うチェックをミックスしネルシャツに落とし込む。
タイダイのパンツにはブランドロゴのパッチでアストリッドらしさを加えた。ブランドのシグネチャーであるファーはコートだけでなく、ショーツなどに使われた。インターシャでゼブラ柄を描くファーミトンも登場した。
(ライター・益井祐)