アシュリンの悩みに応えたノンワイヤブラ「24hブラ」 「ないなら」と自ら作る

2022/03/30 10:59 更新


「悩みが解決された」とまとめ買いやリピーターも多い「24hブラ」

 ノンワイヤブラジャーのDtoC(メーカー直販)ブランド「ベルマカロン」の「24hブラ」が女性の悩みに応えて急成長している。運営するアシュリン(東京)の小島末紅代表は「OL時代、可愛くて楽なブラジャーを探していた」が、当時のノンワイヤタイプはスポーティーな商品が多く、満足するものはなかった。「同じ悩みの友達も多くニーズがある。ないなら自分で作ろう」と、16年に起業し17年にブランドを立ち上げた。年商は初年度の約100万円から22年4月期は約8000万円を見込み、1億円突破も見えている。

(古川伸広)

ノンワイヤのイメージを変える

 小島代表は法学部卒で、14年にIT企業のシステムエンジニアとして就職。デスクワークなど長時間の仕事に、「1日のブラジャーの締め付け感と仕事のストレスの両方があった」という。ノンワイヤの構想はあったが、アパレルは畑違い。ゼロから学んだため素材調達など製品化には苦労した。海外生産を試みたが思うようなサンプルが出来ずに、紹介してもらった国内工場との取り組みが始まり、形になるまで1年を費やした。

フォロワー約2万6000人にブラジャーの悩みや干し方などの情報発信も強化する小島代表

 ネットで話題になり、認知度が上がったのが18年11月から販売を始めた改良版の24hブラ。国産のストレッチレースを使った光沢感と伸縮性で、より見た目も可愛く改良。表面の面積を削るとホールド感が低下するため、胸元をV字型にすることできれいに見せ、カップ裏のパワーネット使いで胸の横流れも防いだ。アンダー部分は曲線に縫製するなどホールド感と着け心地感にこだわり、見た目も可愛いデザイン性に仕上げ、「ノンワイヤのシンプルなデザインや胸に悪い」などのイメージを変えている。

在庫管理などのシステムも自ら構築

 24hのネーミングが女性に伝わりやすかったこともファン拡大の一因と見ている。商品をアップすると、3~5日で完売し、3カ月分の在庫を売り切って月商100万円を達成。追加生産には約2カ月かかり、入荷待ちの状態から「幻のブラ」となり、希少性から知名度が高まった。現在は毎月3回の0の付く日に販売数を明示して商品をアップしているが、毎回完売状態だという。

 ブラジャーが税込み6600円、ショーツ2000円、セット8600円で、新色を加えていくことで顧客満足度を上げている。昨年はボルドーやクリスタルグレー、今春はスイートフローラルや今までの単色からバイカラーを発売。サイズはS~LL、F/G、F/G65を揃える。今後はルームウェアの開発や期間限定店なども検討している。

アシュリンの「24hブラ」とショーツのセット

 同社は小島代表一人だが、プログラマーの経歴を生かし、効率化や無駄を省くなどのシステム構築を自ら行っている点も強みだ。顧客がより使いやすいような改良、在庫管理や需要予測による生産量決定、生地の用尺管理、発注データからの物流システムなども開発している。



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