バッグで〝下町発の物作り〟三越伊勢丹と協業も

2017/02/16 10:00 更新


今春スタートの「アップルズアンドオレンジズ」 

 「アップルズアンドオレンジズ」は、オリジナルのテキスタイルを主役にしたバッグ中心の雑貨ブランド。アップルズアンドオレンジズ(東京)が今春スタートし、16日からクラウドファンディングサイト「マクアケ」で、量産に向けた出資を募る。4月には、三越伊勢丹の自社雑貨ブランド「ナンバートゥエンティワン」との協業商品も発売予定だ。

 同社社長は、異業種の大手メーカーでコーポレートベンチャーキャピタル部門などを経験した26歳の小田駿一さん。実家が東京・墨田区の縫製工場という背景も生かし、東京下町発のメイド・イン・ジャパンの物作りを発信していく。テキスタイルの企画は、テキスタイルデザイナーの中原緑さんが担当する。

 第1弾として、自然をモチーフにした4柄のプリントを作った。それぞれ薄地のコットンキャンバスにプリントし、小田社長の実家が経営する工場、カリフォルニアクラブカンパニーで縫製。クラッチバッグ(8800円)、トートバッグ(1万1800円)、ショルダーバッグ(1万5800円)に仕立てた。柄によってシルクスクリーン、顔料、インクジェットなど、プリント方法を変え、繊細な表現を追求している点がポイント。今後は、プリントだけでなく織り柄や刺繍柄も企画し、ハンカチやポーチなどアイテムも広げていく予定だ。

 「安心して長く使って欲しい」と、商品は全て無料でお直しを受け付ける。保証期間は設けず、バッグの底部分が擦り切れたり、汚れたりした場合などは、一部ではなく底全面を変える考えという。

 小田社長は昔からファッション好きで、大学時代にはファッションマガジン『ADD』を立ち上げ、留学中にロンドンコレクションでカメラマンをしていたこともある。今もファッションフォトのカメラマンとしても活動している。

 安定した大企業を辞めたのは、ファッションがやりたいという思いがあったから。ブランド名と社名のアップルズアンドオレンジズは、「水と油」といった意味の英語の慣用句から付けた。「僕のような異業種からきた人間とローカルな工場や産地をつなぎ、異なるもの同士が交じり合うことで新しいものを作っていきたい」と小田社長。「世界がどんどん合理化しているからこそ、定量的に価値を計ることができない人の手による地場の物作りを付加価値として発信していかないといけない」と話す。

自然をモチーフにしたプリント柄でバッグを作った
自然をモチーフにしたプリント柄でバッグを作った

第1弾商品は、クラッチバッグ、トートバッグ、ショルダーバッグの3型



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