靴卸のアップル(東京)はオリジナルのシューズブランド「オルタム」の販路開拓に力を入れている。26年春夏物ではイタリアのレザーサンダルブランド「ブラドール」と協業した商品が好評だ。
老舗ファクトリーブランド、ブラドールとの協業では、旧フランス軍のレザーサンダルから着想を得たパンチングデザインで、クラシックな軍用ディテールを踏襲しながら、現代的なフォルムに進化させたダブルネームの限定モデルを出す。ベジタブルタンニンなめしのナチュラルレザーに独自のストーンウォッシュ加工をしたサンダルは職人の手仕事で作られる。一足ごとにビンテージ感のある異なる表情で履き込むほどに風合いが増す。税抜き2万5000円。同じ素材でグルカサンダルタイプ(2万7000円)もある。女性4サイズ、男性6サイズ。
オルタムは23年秋冬にミリタリーを背景にしたビンテージモデルを現代的にアップデートした日本製シューズとしてスタートした。第1弾はかつてドイツ軍に支給されていた〝屋内トレーニングシューズ〟を日本製に変更したモデル。スタンダードライン(2万5000円)のほか、ドイツ軍の屋外トレイルラン用を独自の解釈で再構築したマラソンタイプ(2万8000円、2万9000円)が継続的に人気だ。

卸先は洋服主力のセレクトショップのほか、百貨店や靴専門店など。卸先の拡大には、同社が24年秋冬から輸入販売する「ジャーマンアーミートレーナーオリジナル」の効果も大きい。同シューズはドイツ連邦軍に現在も正式支給されている官給品で、復刻品やレプリカではない点がこだわりの強いメンズショップを中心に支持されている。
26年春夏物ではジャーマンアーミートレーナーに日本製帆布とベロアレザーのコンビ(2万3000円)も加えた。今後バルカナイズド製法によるハイスペックラインも企画する予定。