青山商事 女性が活躍できる環境整備に注力

2018/08/23 06:30 更新


 大手紳士服専門店の青山商事は、レディス分野の成長に向けて、女性が活躍できる環境整備に力を入れている。これまで取り組んできた女性社員が働きやすい職場作りや販売員教育などで成果を上げている。レディス売上高は18年3月期で300億円となったが、フォーマルウェアや働く大人の女性向けでまだまだ伸ばす余地があるため、引き続き商品開発はもちろん、売り場環境、接客にも力を入れる。

(大竹清臣)

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 レディス分野の成長とともに女性社員も増えており、採用では5年前は女性が1割だったのが、現在では男女比率は半々になっている。基本的に女性客は女性の接客を求めることが多いため、販売員教育が重要になる。女性の教育マネジャーを新たに置き、各店での指導を徹底するとともに、女性社員にとって身近な存在として心の支えとなり、悩み相談も受ける。

 「若い女性社員は就活や入学・入社向けなど女子学生には対応できても、40~50代の役職者向けやフォーマル(冠婚葬祭)での大人の女性への接客では人生経験の不足が否めない。そのため、ベテランの女性パートナー(パート)から学ぶことも多い」(星川直美営業企画部レディス企画グループマネジャー)という。また、この4、5年は男性社員によるレディススーツの接客にも力を入れており、チームによる接客によって店全体で女性客を迎える体制を整えている。

 女性の教育マネジャーだけでなく、レディスの売り上げ規模の大きいフロアの責任者としてレディスマネジャーも配置しており、女性スタッフの拡大に向け、キャリアアッププランを確立してきた。人事部主導で女性の役職者別研修を行い、ワークライフバランスや福利厚生制度の理解を深め、若い社員にまで伝える努力もしている。ここ数年で産休・育休制度の利用者が増え、退職者が減少した。産休・育休から復帰後に昇格した女性もいる。

 今年スタートしたレディス向け新カードも順調に会員を増やしている。新カードは「洋服の青山」「ザ・スーツカンパニー」だけでなく、「ミスターミニット」などグループ会社でも特典が付くメリットが大きい。平日の主婦層を含めて来店頻度が高い女性客の情報を自社で分析し、商品開発や売り場作りなどに生かす。カードのデザインは女性チームが考え、投票して決めた。会員目標は、クレジット機能付きで30万人、機能なしで70万人と高く、レディス分野の成長を加速させる役割を担う。




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