1714年8月1日は、英国アン女王が世を去った日です。1665年2月6日に、セント・ジェイムズ宮殿に生まれていますから、49年の人生だったことになります。戴冠式は1702年4月23日。その後12年間、国王だったわけです。
アン女王が行ったことのひとつに「キングズ・イーブル」があります。「王のお触り」とも訳されます。重病患者の身体に手を触れると、病が治るという迷信から出たもの。一時期、中断されていましたが、復活させた。
『英語辞典』で有名なサミュエル・ジョンソンも、小さい時に経験しているそうです。「キングズ・イーブル」にも裏側があって、そっと金貨などを渡す。これで薬なども買うことができたのでしょう。
1711年には「アスコット競馬場」を創設してもいます。19世紀になって、貴族の若者がグレーのモーニングでアスコット競馬場に行くのが流行に。今日のアスコット・モーニングのはじまりなのです。(服飾評論家・出石尚三)