「アキラナカ」25年春夏コレクション リヒターの思想に着想、エレガンスに知性重ね

2024/07/30 11:00 更新


 「アキラナカ」(ナカアキラ)の25年春夏は、ドイツの抽象画家ゲルハルト・リヒターが着想源になっている。リヒターが生涯を通して表現した概念「シャイン」を、いくつかの方法で服に反映させた。シャインとは、対峙(たいじ)するものと自分の間にある空気、もしくは光のレイヤー、層のこと。ガラスに映り込む人影、湖面に反射する光など、瞬時には認識できないが確かにそこにある存在を指す。「シャインを象徴的にデザインに取り入れることで、服をまとう女性のエレガンスに知性を重ねることができるかを試みた」という。

 襟に隠れているはずのボタンを表に付けたトレンチ風のドレス、片側だけ巨大な襟とラペルを付けたノーカラージャケット。エレガントな半袖ジャケットは、前立てが不思議な曲線を描く。意味のないものへの価値、偶発的なもののエレガンスを見いだそうとしている。リヒターによる「全てを等価する」という考え方を反映している。

アキラナカ

 野に咲く花を束ねたような柄のシャツジャケットも目を引く。きれいな色の花々だが、ほとんどがかすれていてぼんやりとしている。花を描きながら消し、消しながら描くというプロセスを経て表現した。

アキラナカ


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