アニエスベー、20代客増え好調 ロゴTや帽子が人気

2018/08/27 06:30 更新


 ファッションブランド「アニエスベー」が日本で売れている。特に、ブランドロゴが入ったTシャツやキャップは増産しても追いつかないほどの人気ぶりだ。SNSやインフルエンサーを通じたコミュニケーションで注目が高まり、20代の新規客を取り込んでいる。90年代ファッションやストリート、ロゴ物のトレンドも追い風に、ブランド力を発揮。アニエスベージャパン(東京)の売上高も前年比2ケタ増ペースで伸びている。

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 タイムレスなブランドだが、この間は若い世代へのアプローチにも力を入れてきた。アニエスベージャパンによると、きっかけの一つが15年の銀座店オープン。その際、20代のモデルなどを招きロゴTシャツなどを着こなしてもらった様子をSNSで発信、口コミで話題が広がった。その後、ロゴ物の人気に加え、ボーダーTシャツやスナップカーディガンなどの定番アイテムも再注目された。

 顧客データでも、17年は20代の比率が18%だったのが18年は40%に上昇。こうした、女性を中心とした20代の増加が売り上げを引っ張っている。ロゴTシャツ(7000円)やロゴキャップ(6500円)は現在、再入荷してもすぐ売り切れてしまう状態が続いており、「アニエスベー・ボヤージュ」の財布などの革小物や、ロゴトートバッグも人気だ。ロゴキャップは、元はメンズ商品だが女性にも売れている。購入は日本人が中心。

 今の20代は、特に人気だった90年代後半のアニエスベーをほとんど知らないが、ベーシックなためトレンドのストリートファッションに取り入れやすいなど「自分なりの着こなしができる」ことも好調の理由だ。流行に左右されないブランドの芯や本物感も支持されている

 今後は、Tシャツのイメージだけにとどまらぬよう、デザイナーのインスピレーション源などブランド全体の魅力をさらに伝えていきたいという。9月には音楽に関連したキャンペーンを行う予定で、青山店にはラジオ局のような空間を作りゲストを招いたイベントも開く。

 アニエスベーのほかの商品にも興味を持ってもらえるよう、モデルやアーティストなどのインフルエンサーを通じて、定番商品や新作コレクションの様々な着こなしも提案する。

 同社の直営店は130。実店舗のほか、自社ECや外部EC(ゾゾタウン、マガシーク、マルイウェブチャンネル)で販売している。「アダム・エ・ロペ」と協業もしている。

 人気商品が売り切れで足りないなか、昨年ごろから模倣品被害が増えており、なりすましサイトなどに対する注意喚起にも取り組んでいる。

ロゴのTシャツやキャップは再入荷してもすぐ売り切れるほどの人気
「アニエスベー・ボヤージュ」の財布も売れている


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