アダストリアは9月27日、美と健康をテーマにしたウェルネスブランド「ムードイズミー」を始めた。セクシャルウェルネス商品のほか、ヘルス&ビューティーに関連した商品などを揃える。公式ウェブストア「ドットエスティ」で販売し、今後は期間限定店や実店舗の出店も目指す。
22年4月に「アダストリアグループ健康経営宣言」を制定し、ウェルネスに特化したブランドの開発を進めている。ムードイズミーの構想は昨年から。注目は同社で初めて販売するセクシャルウェルネス商品だ。
「セルフプレジャーアイテムを持っている友人が多いが、とてもきれいでおしゃれな人ばかり」(渥美昌子ウェルネス営業部長)と気づいたのをきっかけに、フェムテックを切り口にした新規事業を考え始めたという。恥ずかしい、自分には必要がないと、あまりオープンにされていなかったセクシャルウェルネス商品だが、「自分の美や健康につながるもの。ファッション感覚で楽しめる提案で、その風潮を変えていきたい」と話す。
ブランドの企画にあたり従業員800人を対象にアンケート調査を実施した。セルフプレジャーアイテムの使用については600人が回答し、「使ったことがある」人が20%で「使ってみたい」人が半数おり、手応えを得たという。
年齢や性別は問わない。「自分の素直な気持ちに目を向け、フィジカルとメンタルを整える」ような商品を充実する。大きく二つの欲求をもとに六つのカテゴリーで構成する。生理的欲求である睡眠、食欲、性欲と、「自己実現欲求」に分類するビューティー、フィットネス、リラックスだ。
デビュー時は皮膚科学などに基づくコスメ「ドクターメディオン」などビューティーと、「イロハ」「ウーマナイザー」など女性向けセルフプレジャーアイテムとフェムケア商品など性欲を満たす商品が半分ずつで、国内外のブランドを集積する。今後はカテゴリーを広げ、独自に作った商品も増やす。12月にはオリジナルの基礎化粧品を販売する予定だ。
セクシャルウェルネスグッズに関心があっても、抵抗を覚える人がまだ多いと見て、公式インスタグラムでの発信に力を入れる。一人の女性が、日々の生活で得た美や健康の知識や発見を共有するストーリー仕立てで、親近感を出す。イベントの開催も視野に入れている。