【トップインタビュー】レクトラ・ジャパン 田中昭彦社長

2018/12/19 00:00 更新



 オーダースーツなどで注目を集めるメードトゥメジャー(MTM)。CAD・CAMメーカーのレクトラは新たにアパレルのMTM生産に対応する一枚裁ちソリューションの販売を始めた。自動裁断機を含め全てがデジタルでつながることで、オーダーから裁断ラインまでを自動処理。高い稼働率を実現することで、量産並みのコスト、スピードでオーダー生産を可能にする。

オーダーから裁断までを自動処理

 生産のグローバル化と同時に、MTM、マスカスタマイゼーションなども求められる昨今のファッション業界。PLM(商品ライフサイクル管理)などによる開発の見える化やデジタル化は解決策の一つであり、我々はそのお手伝いをするというメッセージを打ち出してきました。そうした中で、インダストリー4.0に準拠したソリューションの第一弾として「レクトラ裁断プラットフォーム(レクトラ・ファッション・オンデマンド)」をリリースしました。

一枚裁ち裁断機「VIRGA(ビルガ)」

 レクトラ裁断プラットフォームは、最新の一枚裁ち裁断機「VIRGA(ビルガ)」や新たなクラウドソフトウェアなどを複合した一枚裁ちソリューションです。デジタル裁断の流れとしては、顧客の採寸データをもとにCADソフト「モダリス」を活用し、美しく見えるデザイン、シルエットのパターンを事前に定義したデータに基づいて自動作成します。

 新たに開発したクラウドソフトウェア「マテリアルマネージャー」では、生地の縮率など様々な情報を登録可能で、生地情報を基にしたパターンデータの修正なども可能。将来的には生地メーカーとのコラボも視野に入れます。マーキング情報も自動作成され、「オーダーマネージャー」ではそうした裁断情報をどのタイミングでどこの工場、どの機械で裁断すれば効率的かを自動で判断、段取り替えのダウンタイムを極力減らすことにつながります。一枚裁ち裁断機VIRGAは、生地を送る部分にスキャナーを搭載し、柄のゆがみなどを認識しマーキングデータを自動で補正することで、柄生地においても無地と同等の裁断速度を実現します。

 これらのシステムはERPとの接続も可能。これからオーダーメイドに取り組みたい企業やスケールアップしたい企業、多品種少量生産にも効果を発揮することから、スクールや小ロットのユニフォームなどでの採用も見込んでいます。


パーソナライズ化されたニーズに

 ミレニアル世代はパーソナライゼーションやマスカスタマイゼーションといった消費志向を持っています。生産の見える化によるストーリー性の付与にも繋がりますし、在庫ロスで廃棄問題にも貢献すると注目を浴びています。3Dバーチャルサンプルの活用も含めMTMは新たなユーザー体験を生み出す可能性を持っているといえますし、その仕組みをサポートするソリューションを提供していきます。

レクトラ裁断プラットフォーム(レクトラ・ファッション・オンデマンド)とは

オーダーから裁断ラインまでを自動処理。ITシステムと裁断室をデジタルで結び、高い生産性と利益率を確保しながらMTM生産を素早く行います。なんと、柄生地は高い柄合わせ裁断精度を実現しながら無地生地と同じスピードで裁断可能!また、付加価値のない作業は自動化し、オペレーターの手を煩わせることなく、高い稼働率を確保します。


田中 昭彦(たなか あきひこ)氏

レクトラ・ジャパン株式会社

●大阪本社

〒541-0052 大阪府大阪市中央区安土町2-3-13

大阪国際ビルディング 19F

TEL: 06-4964-1251 / URL:www.lectra.co.jp

(繊研新聞本紙12月12日付)



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