20年春夏はミニマルやシンプルな雰囲気を出すために、スムースレザー風のフェイクレザーを使ったアイテムが豊富だ。綿や麻のようなナチュラルで素朴なニュアンスとは違い、エレガントできりっとした雰囲気を演出することができる。
フェイクレザーは本革の見た目や質感に似せて作った素材のことを指し、本革に比べ軽くて扱いやすく、染色しやすいのが特徴だ。ストレッチ性など本革にない機能を付与したものもある。動物愛護の観点からもニーズが高まっている。服やバッグ、靴、車のシートなど使われ方も幅広い。
フェイクレザーには人工皮革と合成皮革の2種類があり、製造方法が異なる。人工皮革は極細の合繊などを絡め合わせて作られた不織布に、ポリウレタン樹脂を染み込ませたもの。内部構造から本革に近づけている。合成皮革は織物や編物の上に樹脂をコーティングしたもので、安価で大量生産しやすい。
時代の変化とともに進化して、より本革に近いものが作れるようになっている。環境に配慮した製法や、リサイクル繊維、植物由来の原料を一部に使っているものなどがある。なかでもキノコの細胞である菌糸体やパイナップルの葉を使うなど、ユニークでサステイナブル(持続可能)な技術が進んでいる。