【2019年・新時代をどう生きるか】そごう・西武 林拓二社長

2019/05/15 06:00 更新


 百貨店は多くのお客さまに支えられ、地域にとって欠かせない社会基盤の一つになっていると考えています。それだけに、様々なステークホルダーの皆さまと協力して社会課題の解決に向けた取り組みが必要になっています。

 環境活動に関しては、1999年に西武百貨店は、百貨店としては初めて国際規格ISO14001の認証を取得しました。2011年にはそごうも認証を取得。現在は全店、全事業所で環境活動を続けています。

 2016年10月には「次世代に続く豊かなくらしづくり」に取り組むため、行動指針も含めた「環境方針」を定め、SDGs(持続可能な開発目標)との関係性も明確にしました。

お客さまの気持ちをつなぐ

 CSR(企業の社会的責任)活動として、「3つの社会貢献活動」を長年にわたり行っています。これは、社会の役に立ちたいというお客さまのお気持ちを、各種の支援団体、NPO(非営利組織)、NGO(非政府組織)につなげる活動です。

 2003年の「盲導犬育成支援」に始まり、2009年には、お客さまからお預かりしたこども靴をザンビアのこども達に届ける「途上国支援」と、全国の森林再生につながる「植樹・育樹」を開始しました。

 途上国支援では、全店舗に「こども靴下取りコーナー」を常設し、こども靴1点につき、こども服売場でお使いいただける「500円割引券」とお引き換えしています。これは社会貢献をしながらお得にお買い物が楽しめる取り組みとしてご好評をいただいていると同時に、CSV(共有価値の創造)活動にもつながっています。

 CSVについては全従業員の理解促進のために、2017年より「アイデアコンペ」を実施し、初年度には全店の従業員から481件の応募がありました。

 その中から渋谷店の使用済み懸垂幕を使ってバッグを製作・販売するアイデアが大賞を受賞しました。アイデアを具現化するにあたり、趣旨にご賛同いただいた渋谷区内のバッグメーカー、スーパープランニングさまをはじめ、同じく渋谷区内の文化服装学院さま、東京デザイン専門学校さまと共催する運びとなり、さらに渋谷区の後援を受け、オールシブヤの産官学連携の取り組みへと発展しました。

企業理念とも結んで

 私たちそごう・西武は「想像以上の提案で、お客さまに発見を。」という企業理念を掲げています。また、これに向けて「お客さまにとって新鮮な気づきの場であり続ける」というミッション、「お客さまに未来を提供できる集団」というビジョン、「冒険しているか・編集しているか・文化をつくっているか」というバリューを追求していきたいと考えていますが、この実現にあたってはCSR・CSV活動は欠くことができないファクターです。

 セブン&アイグループとしても、ステークホルダーの期待や要請にお応えするために、重要な5つの課題解決を目指し、グループ一丸となってSDGsに取り組んでいます。そごう・西武もその重要性を全従業員が認識し、未来につながる、百貨店に向けて取り組みを進める決意です。

◇ ◇ ◇

そごう・西武の環境方針はSDGsの達成へとつながります

環境方針

私たちは、企業市民として社会的責任を自覚し、環境・社会・経済が一体となった事業活動を通じ、お客様やお取引先、地域とともに「次世代に続く豊かなくらしづくり」に取り組みます。

〇植樹・育樹

 植樹・育樹活動は09年に始めた。19年2月までで全国9カ所、累計1万2679本を植樹した。プレゼントのラッピングに「グリーンラッピング」を選ぶと、代金100円の内50円が植樹活動に寄付される。お中元・お歳暮の簡易包装や、レジ袋削減への協力なども寄付につながる仕組みをつくり、顧客参加型の取り組みを続けている。

▽▽▽

植樹後10年で森に成長した山

〇途上国支援

 09年から全店舗でこども靴の下取りをして、公益財団法人ジョイセフを通じてアフリカのザンビア共和国に靴を届ける活動をしている。19年2月までで累計85万5627足を下取りし、現地に届けた。こどもたちの母親にむけ、出産や育児などの教育も同時に行い、支援している。

ジョイセフのスタッフがこども靴を配布

〇盲導犬育成支援

 盲導犬育成支援は03年から行っている。全店舗に盲導犬型募金箱を設置するとともに、盲導犬との歩行体験などができる「ふれあいキャンペーン」を年2回実施。社内では「そごう・西武基金」を設立。また従業員が任意で毎月の給与から自動引落で募金できる取り組みも行い、19年2月までで6億1100万円を全国の盲導犬育成支援団体に寄付した。

盲導犬ふれあいキャンペーン

〇CSVの取り組み

 西武渋谷店の、使用済みの懸垂幕をバッグにリメイクして販売する取り組みは、地域の多様な方々がつながることで実現できた。この事例に倣い、各店では「地域がつながる場」を提供することで、地域貢献に結び付くと同時に、店舗の価値を高めるCSV活動を推進している。

使用済み懸垂幕をバッグにリメイク


代表取締役社長 林 拓二氏

株式会社そごう・西武

【URL】https://www.sogo-seibu.co.jp/index.html

【住所】〒102-0084 東京都千代田区二番町5番地25 二番町センタービル

(繊研新聞本紙19年5月8日付)


Bnr counter agreement
Bnr denshiban

この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事

Btn gotop