20~21年秋冬パリ・コレクション クラシックな素材が台頭

2020/03/05 06:27 更新


 【パリ=小笠原拓郎、青木規子】20~21年秋冬パリ・コレクションは、エレガントできちんとした雰囲気のクラシックやトラッドがキーワードとして浮上している。それに合わせて素材もシックで伝統的なものが選ばれている。コートやジャケットに使われているのは、ツイードやグレンチェック、ヘリンボーンといったウールのスーツ地。ベルベットやサテンなどの上質な光沢素材も多く使われている。ビジューやパールの装飾も目立つ。

(写真=大原広和)

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 ヴィルジニー・ヴィアールによるシャネルが、カール・ラガーフェルドとは違う輝きを放ち始めた。1月のオートクチュールでは、ココ・シャネルの修道院の少女時代にまでさかのぼりながらシンプルななかに秘めたエレガンスを描いた。プレタポルテでは何を描くのか注目されるなか、見せたのはリアルとファンタジーの高度なバランス。女性たちのリアリティーに寄り添いながらも、きっちりとシャネルのエレガンスを描いてみせた。

 パンツはサイドをメタルボタンで飾り、スリットのように素肌をのぞかせる。ジャケットの襟やヘムにはスカラップの曲線が取り入れられる。シグネチャーともいえるファンシーツイードのスーツ、ふわふわのファーの風合いのブルゾン。シャネルらしい高級感にあふれた素材の一方で、白のタンクトップや黒のテーラードコートといったシンプルなアイテムが新鮮に映る。胸元にフリルを飾った白いシャツにロングスカートやパンツの飾らないコーディネートに、きっちりとエレガンスが貫かれている。


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