19~20年秋冬パリ・メンズ オリジナルの強さをどう時代にフィットさせるのか

2019/01/22 16:56 更新


 【パリ=小笠原拓郎】19~20年秋冬パリ・メンズコレクションは、ブランドのアイコンとなるスタイルや背景を探る傾向が強まっている。そのオリジナルをベースに、今の時代のニュアンスをいかに取り込むのかが焦点となっている。

(写真=catwalking.com)

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 コンコルド広場を見渡すスケルトンのショー会場で、セリーヌが初めてメンズ単体のショーをした。光のオブジェが明滅して動くというエディ・スリマンの定番ともいえる演出で始まった。

 ブラック&ホワイトのミニマルなテーラーリングは、わずかにゆとりのあるシルエットに変化した。レパードやタイガー柄のコートにスキニーパンツ。それはまさにスリマンのアイコンとも呼べるスタイル。このシャープでエッジを利かせたスタイルで、90年代後半から2000年代初めにかけての男性像の象徴を描いた。

 しかし、2000年代初めにランバンのルカ・オッセンドライバーが登場すると、時代を象徴する男性像はエフォートレス(リラックスした)やフルイド(風をはらんで揺れるような)ラインに取って代わられた。スリマンが、再び「サンローラン」を手がけても、今回のセリーヌを手がけても、結局のところ、描く男性像は変わらない。そのスタイルがもう一度、時代を象徴する男性像に返り咲くことはないだろうが、それでも市場において顧客を再び集めることができるのか。今後のビジネスから目が離せない。

セリーヌ

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