19~20年秋冬パリ・メンズコレクション コムデギャルソン・オム・プリュス

2019/01/22 06:29 更新


 【パリ=小笠原拓郎】薄暗い会場に轟音(ごうおん)の生演奏が響く中、登場するのはゴシックメイクのモデルたち。コムデギャルソン・オム・プリュスは、前シーズンの新しいスーツの提案から一歩進んで、テーラーリングの未来を表現した。

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 ゴシックメイクのモデルが着るのは、モーニングコートをはじめとするクラシックなテーラーリング。テーラードスタイルとミックスするのはストレートなシルエットの膝丈ドレスだ。これまでコムデギャルソンは、キルトスカートなどスカートを出したシーズンはあったが、メンズでここまでドレスを揃えるのは初めて。よく見ると、ただドレスとコートを合わせているだけではなく、ドレスとコートが一体化しているものもある。同様にコートの上に重ねたジャケットも重ね着のように見えてワンピースでできている。

 男性服の象徴のテーラードとドレスの組み合わせは、ジェンダーを巡る今の時代への川久保玲の一つの回答と見ることもできる。そのたたずまいはゴシックメイクのせいもあって、ジョン・ガリアーノの「メゾン・マルジェラ」や「チャールズ・ジェフリー・ラバーボーイ」のアンドロジナスなムードとは少し異なる。しかし、既存の男らしさに一石を投じている点では同じ。性差を超える服のあり方を、コムデギャルソンを象徴する黒で表現した。


(写真=ブランド提供)

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