19~20年秋冬パリ・コレクション「シャネル」白銀の世界でカールを悼む

2019/03/06 16:46 更新


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 【パリ=小笠原拓郎、青木規子】19~20年秋冬パリ・コレクションは終盤、ビッグメゾンのショーが相次いだ。注目はカール・ラガーフェルド不在のシャネルのコレクション。途中までラガーフェルドが携わった最後のコレクションだ。トレンドは、ぐっとシックになった。ワンカラーやトーン・オン・トーンのコーディネートも急増している。

(写真=大原広和)

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 シャネルのショー会場に入ると、そこは一面の銀世界になっている。パウダースノーが積もった空間に、シャネルのコードを生かしたスキーリゾートスタイルが現れる。カール・ラガーフェルドの往年のミューズだった多くのモデルたちが駆けつけてモデルやゲストとして登場した。黙禱(もくとう)のあと、ラガーフェルドがシャネルのデザイナーを打診されたときのエピソードが流された。

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 その依頼を受けた時、人々は口を揃えて「やめたほうがいい。最悪だ。もう終わったブランドだ」と言った。今でこそ、古いブランドを再生していくのが当たり前だが、当時は誰もそんなことはやっていなくて、新しい名前や新しい世界が必要とされていた。だからそれを聞いて、むしろ面白いじゃないかと思ったんだ。その状態も含めて、全てが。だからみんなが「やめておけ。うまくいくはずがない」と言ったけれど、2度目に打診をされた時、引き受けることにしたんだ。

 でも結果的にそれは、ブランドがファッションシーンに見事に返り咲く初めてのケースとなった。誰もが、英国の皇太后さえが、欲しいと思う存在にね。彼女が車から降りてきた姿は、今でも忘れられない。僕たちは花から何まで本当に美しく整えて準備をし、彼女は英語でこう言ったんだ。「あら、まるで絵画の中を歩いているようね」と。あのことは一生忘れられないだろうね。

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 ショーは、その悲しみを振り払うように、軽やかなラインで始まった。グレートーンのツイードコートやセットアップ、トリミングディテールのツイードジャケット。シャネルのコードとなるアイテムだが、トリミングする糸のピッチと柄で今シーズンらしいエレガンスと温かなムードを描く。ふわふわとしたタッチのジャカードスカートや柔らかなフレアラインのニットドレスで、パウダースノーのような軽やかさを表現する。

 パッデッドのボリュームを生かしたジャケットは、鮮やかなマゼンタやパープル。その一方で、白銀に描くスキーヤーたちの細かな柄をボディースーツやドレスに透け感とともに描いた。

 フィナーレ、ヴィルジニー・ヴィアールの横にいないカール・ラガーフェルドを惜しむ観客たちは、ショーが終わった後もしばらくその場に立ち尽くした。

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