19~20年秋冬ミラノ・コレクション 日本人デザイナーなど若手、中堅がショー

2019/02/26 06:29 更新


 今回のミラノ・コレクションの本スケジュールは7日間だが、ほぼ5日間に収まった。実質、最終日となった24日は日本人デザイナー3人を含む若手や中堅が揃った。

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 ウジョーはマスキュリンなテーラードとスポーツの要素を軸にした。パンツにはスナップボタンやファスナーを付けてヘムのシルエットに動きを作る。キルティングのブルゾンやスカートにドローコードで絞るドレスなど、ユーティリティーの要素は今シーズンも健在。昨年のインタビューでの宣言通り、メンズラインもスタートし、数ルックを出している。メンズはグレースーツやジレを上からラップしたようなテーラードスタイルを見せた。メンズラインを始めることで、ビジネスもさらに世界的な広がりを持たせていく狙いであろう。メンズ、レディスともにプロダクトに破綻はないのだが、それ以上に訴えかけてくる強さを感じない。得意のカッティングのところでもっとアピールしていく必要がある。

ウジョー
ウジョー

 チカキサダはミラノ2シーズン目。今回もブランドの背景にあるバレエを元にした繊細なエレガンスと、パンキッシュな強さを交錯させた。冒頭はチュチュを繊細に重ねた生成りのドレス。優しく揺れるAラインはイノセントで静かな雰囲気が漂う。それと同時に、首にぴったりと沿うハイネックやプリンセスラインには、禁欲的でクラシカルなムードもある。そんな静かなスタイルが少しずつダークで強い色を帯びていく。黒いレースのブラウスにピンクのパイソン柄のレザースカート。ブロンズのチェーンアクセサリーには微かにフェティッシュなムードも。

チカキサダ

 アツシナカシマは二つの定番アウターをドッキングさせた。グレンチェックのテーラードジャケットにはモッズコートやピーコート、トレンチコートにGジャン、ダッフルコートにN2B。服にもう一つの服が侵食するイメージではぎ合わせている。ファーのように毛足の長いパイルやフロッキー加工、箔(はく)プリントなど抑えめな光沢がポイント。

アツシナカシマ

 今回、協会がサポートするマリオスは、ギリシャ人とポーランド人の男性2人によるイタリアブランド。中堅とはいえ、近年のミラノの若手によく見るテイストミックスのストリートカジュアルを徹底した。スポーツとミリタリーを軸に、ネオンカラーにグリッターの輝きと透け感を重ねていく。エナメルのシャツにはシャイニーなカレッジセーターやスカンジナビアンセーター、首元からはイエローやオレンジのタートルネックがのぞく。カジュアルなルックにフェザー飾りや透けるドレスを重ねてドレスの要素もプラス。

マリオス

(青木規子、写真=大原広和)



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