18~19年秋冬ロンドンコレ リチャード・クイン

2018/02/21 16:46 更新


 【ロンドン=小笠原拓郎、若月美奈通信員】サステイナブルの概念が浸透し、デザイナーコレクションにも素材におけるリサイクルやリユースが広がっている。そうしたなか、18~19年秋冬ロンドン・コレクションで気になったのが、デザインやアイデアのリサイクルだ。過去のデザインの復刻や前シーズンと同じコンセプトの継続。マルタン・マルジェラのように、ずいぶん前からそうした実験を重ねてきたブランドもある。「グッチ」はすでに〝グッチらしさ〟を強調して、アレッサンドロ・ミケーレの確固たる世界を「変わらないコレクション」として毎シーズン見せてそれが売れ続けている。

 ほかにも変化しないコレクションを続けるブランドはある。今の時代のブランドビジネスにおいて、それが一つの手法なのか。それとも、新しい時代を切り開くデザインに煮詰まった状況なのか。その変わらないデザインは、シーズンごとに変わることを前提としたデザイナーコレクションで危険な試みかもしれない。しかし、まだ輪郭が見えない新時代のデザイナーコレクションのあり方を探る一つのヒントであることは否定できない。(写真=catwalking.com)

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 シルバー、タータンチェック、プリーツ、モダンアートなどいくつかのキーワードはあるものの、シーズンをリードする大きな流れが見られない。著名ブランドの参加も減って停滞ムードがぬぐえないなか、最終日の最後にとびきりのサプライズがあった。注目新人、リチャード・クインのショーにエリザベス女王が来場したのだ。目的は、新設された女王による新進デザイナーへの賞の授与。

 そんなスペシャルなショーで発表されたリチャード・クインの新作は、これまで同様に鮮やかな色の花プリントの洪水。前回から継続される様々な花柄をコラージュしたはりのあるAラインドレスに加え、プリーツの多用と大きく膨らむパッデッドジャケットが新しい。花柄以外のドットとスネークスキンも加わった。スカーフをつないだり、はぎ合わせたりしたドレスもあり、エリザベス女王のように頭に巻いて首元で結ぶモデルもいる。

 ヘッドウェアでは花柄のフルフェイスヘルメットも登場した。花柄でボディーをラッピングするコンセプトは前シーズンと変わらず、同じプリント柄も再登場している。しかし、ボリュームや布の流し方などで、次の気分を確実に描いている。

リチャード・クイン

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