17~18秋冬NYコレ、テーラードのアレンジ

2017/02/14 06:41 更新


 【ニューヨーク=小笠原拓郎、杉本佳子通信員】17~18年秋冬ニューヨーク・コレクションで、マスキュリンなテーラードジャケットにひねりを加えたスタイルが広がっている。ジャケットやコートにタブのディテールやニットパーツを加えて変化を作る。


■カルバンクライン アメリカへのオマージュ散りばめて

Calvin Klein Fall Winter 2017 New York Fashion Week Copyright Catwalking.com 'One Time Only' Publication Editorial Use Only

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 ラフ・シモンズによるカルバンクラインのファーストコレクションは、アメリカへのオマージュを散りばめた。スポーツ、ウェスタン、プレッピー、プラスチックの質感、グラマラスなフェザー、デニムのワークウェア、レザー、キルト。アメリカらしさを切り取って、シンプルなフォルムの中で組み合わせる。

 アメリカンポップアートをほうふつとさせる明るいカラーパレットが、カルバン・クラインにエネルギーを吹き込む。「このコレクションは多様性の賞賛だ」とラフ・シモンズ。冒頭は両胸フラップにパープルを使ったブルーのシャツ。ウェスタンのニュアンスを入れながらクリーンに仕上げる。中に白いタートルネックを着て、脇に白いラインを走らせた真っ赤なパンツをコーディネートする。

 グレンチェックのテーラードジャケットは鮮やかな赤やグリーンのリブニットスカートを合わせて、クラシックにリラックスした遊びを加えた。きれいな色のフェザーのドレスの上には、透明のプラスチックを重ねる。レザーのモトクロスジャケットには、メタリックなシルバーのバラをアップリケ。メンズでも、オーソドックスなグレンチェックのスーツを透けるヌードカラーのトップと合わせて、これまでのカルバン・クラインとの違いを見せた。


■アレキサンダー・ワン

Alexander Wang Fall Winter 2017 New York Fashion Week Copyright Catwalking.com 'One Time Only' Publication Editorial Use Only

 アレキサンダー・ワンはハーレム地区の廃虚となっていた劇場でショーをした。会場を入ると古いビール工場の倉庫のような作り。来場者にはビールがサーブされる。ビニールに覆われた狭い廊下を進んだ先の暗い廃虚化したホールで、観客全員スタンディングでのショーだ。黒とグレーを軸にしたシャープなテーラードスタイルがベースの、ダークなムードを作った。

 ジャケットの上からニットのスヌードのようなパーツをかぶせたり、スリーブレスジャケットとミドリフニットを組み合わせたりして、クラシックなテーラードに変化を作る。テーラードのトップを、レギンスのようなタイトなボトムできりりと見せる。胸元をばっさりと開けてデコルテを強調したコンビネゾンもキーアイテム。グレンチェックのスーツもボトムはコンビネゾンになっている。ダークカラーのアクセントになるのは、メタリックのボールチェーン。コートにトリミングしたり、ミニスカートのヘムに飾ったりして動きを作った。


■シース・マルジャン

Sies Marjan Fall Winter 2017 New York Fashion Week Copyright Catwalking.com 'One Time Only' Publication Editorial Use Only

 シース・マルジャンは布の動きとギャザーのドレープを生かしながら、鮮やかな色のコントラストで新鮮なイメージを作り出す。トップやスカートはブランケットのようなスクエアの布でフルイドラインを描く。トップやパンツにジップを取り入れて、そこにギャザーを寄せていく。淡いミントグリーンのケーブルニットはフロントにノットを作り、トレンチコートにはフリンジディテールを取り入れる。ブルーサテン、パープルベルベット、ボルドーグリッター、オレンジシャギーファー、素材と配色のバランスが面白い。


(写真=catwalking.com)

続きは繊研新聞2017年2月14日付10面をご覧ください



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