16~17年秋冬ミラノ・コレI

2016/02/29 06:46 更新


コラージュ、パッチワークがトレンドに


 【ミラノ=小笠原拓郎、青木規子】16~17年秋冬ミラノ・コレクションでパッチワークやコラージュがトレンドとして浮上している。ロンドンでも「バーバリー」がパッチワークをテーマとして掲げていたが、様々な要素、様々な柄、素材をミックスしていくコラージュは有力トレンドとなりそうだ。


ミクスチャーパワー/プラダ

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 プラダは1月のメンズコレクションの流れを引き継いで、マリンモチーフを取り入れた。とはいえ、メンズやプレコレクションに比べると、ぐっと複雑に色々な要素をミックスしている。ピージャケットはコルセットを上からかぶせ、きらびやかなブロケードと組み合わせる。ミリタリーコートのメルトンタッチと対照的なのは、オーガンディ刺繍の繊細なドレス。

 そこにメンズでも登場したクリストフ・シュマンのアートプリントがコラージュのようにのせられる。ハワイアンシャツやビンテージカーフのコート、パッチワークセーターにアンゴラのアーガイルタイツ。古ぼけたデニムのケープにはアストラカンのフードが付く。セーラーカラーやショルダーパーツはデタッチャブルで、外れかけたようなディテールのものもある。

 このあたりのデコンストラクトの要素は、メンズと共通するところ。50年代、60年代、70年代、1900年代、様々な年代をグルーピングして、女性のパーソナリティーや歴史をコラージュして表現した。ショーで流れた音楽もPJハーヴェイ、エディット・ピアフといった情念あふれる音のコラージュ。そのミックス感は、今シーズンの大きなトレンドとして市場を引っ張りそうだ。

 

 

 

Emilio Pucci Milan RTW Fall Winter 2016 February 2016

 マッシモ・ジョルジェッティによるエミリオ・プッチは、いよいよ明確に自分の色を見せはじめた。それはメゾンのアーカイブに依拠しながらも、軽やかでシンプルな中に収めるスタイル。もちろん、メゾンの手仕事は生かされるが、シンプルゆえに手数も減り、そのキャッチーさとともにアクセスしやすい商品となって現れる。

 今回はスポーツにシフトした。オーバーサイズのコートと合わせるのはタイトなジャージーレギンスやボディースーツ。雪山の風景画をかたどったニットトップやプリントドレス、キルティングのブルゾンといったアイテムを組み合わせる。シルクプリントドレスは、ガーメントダイのように様々な部分にアタリが出て、それがきれいなだけではないリアリティーとなっている。

 

 

 

Fendi Milan RTW Fall Winter 2016 February 2016

 フェンディは波のようなフリル飾りをポイントに、ジャポニズムを背景にしたコレクションを見せた。日本の古い植物画からイメージを広げたというコレクションは、屏風絵やきもののような箔(はく)のドレスなど、繊細なプリントがのせられる。そこにフェンディらしいゴージャスなファーコートをコーディネートする。

 フリル飾りはパネル状にドレスを彩り、ボーダーニットもところどころがカーブしたよろけ縞のようになっている。足元はスエードのサイハイソックスにサンダル。タイトなサイハイソックスやサンダルにもフリルが揺れる。フリルで部分的な量感を作りながら、あくまでもすっきりと見せる。そんな装飾のバランス感も今シーズンのキーとなっている。

 

 

 

Tods Milan RTW Fall Winter 2016 February 2016

 トッズはスポーツとサルトリアルをキーワードにして、シンプルな中にハンドクラフトのテクニックを取り入れた。圧倒的なのがレザーのアイテム。ボマージャケットはステッチングで立体感を出し、タッセル飾りのチェーンベルトなどのアクセサリーと組み合わせる。

 極薄のレザーはアシンメトリーにプリーツをたたんでスカートに仕立てたり、象眼細工を入れてドレスにしたり。レザーのクオリティーの高さを背景に、作り込みながらもリラックスしたムードに仕上げたのがトッズらしい。(写真=大原広和)

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