「ユウショウコバヤシ」(小林裕翔)は、都内で24年春夏のショーを単独で行った。
テーマは「ラストナイト」。会場は友達の部屋で開くパーティーのようにラメテープなどで演出し、女性ラッパーのリルニーナのライブとともに始まった。花柄、海の生物柄など様々なプリント生地をつないだパジャマ風シャツに、透けるギンガムチェックのショートパンツ。ブランドの軸となる手仕事を強調したガーリーなワードローブに、ストリートっぽさを色濃く反映していく。手編みのハートモチーフをフロントにしたキャミソール、曲線の切り替えで太ももの透け感を強調したパンツなどセクシーな一面も見せた。パーティーを楽しむモデルの演技を挟み、後半はファンシームードのドレスが続く。軽やかな印象で見せるフリルやギャザーが目を引いた。
「今までは一つのコレクションで1人の人物像を描いていたが、パーティーの中でいろいろな人物像が存在するストーリー仕立てにした。卸先が変わってきたなかで、ショーを繰り返して慣れてしまった感覚があって、新しいことに挑戦したいと思った」と小林。製品は全てアトリエで制作しながら卸売りのみで運営し、SNSを通じて海外の取引先が増えたという。現在は国内数件のほか、中国、韓国、台湾、米国、メキシコの6店に輸出している。
(須田渉美)