中里唯馬のドキュメンタリー映画、来年公開 廃棄衣料から創作への旅を追う

2023/10/23 10:59 更新


ケニアへの旅を振り返る関根光才監督(左)と中里唯馬氏

 「ユイマ・ナカザト」のデザイナー、中里唯馬を追ったドキュメンタリー映画が制作中だ。タイトルは『ダスト・トゥ・ダスト』。映像作家、映画監督の関根光才氏が手掛け、中里のケニア訪問やコレクション発表に至る旅に密着した。来年公開予定。

 10月4~7日に代官山ヒルサイドテラスでユイマ・ナカザトの23~24年秋冬クチュールコレクションを展示するのに合わせ、22年にパートナーシップを結んだセイコーエプソンと共同開催のメディアイベントで発表した。

 中里は世界の廃棄衣料が集まるケニアを昨年秋に訪問し、ここで回収した古着をエプソンの技術で解繊して不織布にし、23年春夏と23~24年秋冬コレクションの一部に採用した。映画はケニアを訪れる中里に密着し、苦悩しながらクリエイションに挑む姿を追いかける。

23~24年秋冬コレクションにケニアで集めた古着から作った素材を採用した

 イベントでの関根監督との対談で中里は、「ケニアに行くことが決まり、道中を記録しておきたいと関根さんに依頼した。関根さんとの対話はこの映画のだいご味。鋭い問いに私自身深く思考しながら旅を続けた。ごみをごみと決めるのは人間。価値がないと思う物に再び人間が価値を与えられるのか、パリという最も高価な服を発表する場で大きな実験になった」と振り返った。

 関根監督は「記録係として旅に同行してみて、これはぜひ映画化したいと考えた。タイトルは聖書の一節からとったもの。映画を見てもらえばどういう意味かわかってもらえると思うが、唯馬さんのクリエイションのテーマにそれがあると感じた」と話した。



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