「ユイマ・ナカザト」のデザイナー、中里唯馬を追ったドキュメンタリー映画が制作中だ。タイトルは『ダスト・トゥ・ダスト』。映像作家、映画監督の関根光才氏が手掛け、中里のケニア訪問やコレクション発表に至る旅に密着した。来年公開予定。
10月4~7日に代官山ヒルサイドテラスでユイマ・ナカザトの23~24年秋冬クチュールコレクションを展示するのに合わせ、22年にパートナーシップを結んだセイコーエプソンと共同開催のメディアイベントで発表した。
中里は世界の廃棄衣料が集まるケニアを昨年秋に訪問し、ここで回収した古着をエプソンの技術で解繊して不織布にし、23年春夏と23~24年秋冬コレクションの一部に採用した。映画はケニアを訪れる中里に密着し、苦悩しながらクリエイションに挑む姿を追いかける。
イベントでの関根監督との対談で中里は、「ケニアに行くことが決まり、道中を記録しておきたいと関根さんに依頼した。関根さんとの対話はこの映画のだいご味。鋭い問いに私自身深く思考しながら旅を続けた。ごみをごみと決めるのは人間。価値がないと思う物に再び人間が価値を与えられるのか、パリという最も高価な服を発表する場で大きな実験になった」と振り返った。
関根監督は「記録係として旅に同行してみて、これはぜひ映画化したいと考えた。タイトルは聖書の一節からとったもの。映画を見てもらえばどういう意味かわかってもらえると思うが、唯馬さんのクリエイションのテーマにそれがあると感じた」と話した。