第106回ピッティ・イマージネ・ウオモの会場は、一面黄色に覆われた。テーマは「ピッティレモン」。メインパビリオン前の広場だけでなく電話ボックスからフラワーショップ、マーカーペン、レモンドリンクまで、どこもかしこもレモンイエロー尽くしだった。
(ライター・益井祐)
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ピッティ・ウオモに揃うのは、クラシコや大手ブランドだけではない。実は若手デザイナーや新ブランドを見つけるのにも適している。
アップサイクル、ビンテージ
前回お休みだった「S|スタイル」が帰ってきた。サステイナブルな若手デザイナーをえりすぐったセクションには、世界中から10組のユニークな才能が集まった。会期中にはケリングの「マテリアル・イノベーション・ラボ」の素材を使った協業ピースのプレゼンテーションも行われた。
ウガンダの首都カンパラを拠点とする「ブガジヒル」は古着を使ってアップサイクルを行っている。コンセプトは「リターン・トゥ・センダー」。北半球から送られてくる古着をリプロダクトして送り返している。プロダクションの盛んではないウガンダで、スタジオで働く縫い子さんたちをトレーニングし、職も作り出している。
チリの「グイド・ヴェラ」はリンゴやサボテンなどの植物から作られた変わり種レザー調素材を使うブランド。「アンサング・ウィーバーズ」はギリシャのアルカディア地方の伝統で、川底に素材を沈めて作るフェルトのブラケットをもとに、ジャケットを一点一点作っている。イタリア発の「フロラニア」では、太陽光を浴びるとオフホワイトから青に変わるニットに驚かされた。