サンローラン、クチュールサロン復活

2015/07/31 19:01 更新


 イヴ・サンローランは、02年に閉鎖したクチュールサロンの復活を発表した。従来のオートクチュールメゾンの販売形式である一般を対象にしたオーダーメードのシステムを取らず、クリエーティブディレクターのエディ・スリマンが厳選した人のみを対象に制作するサロンになる。今のところ、オートクチュールコレクションで発表する予定はない。本国では「クチュール以上に特別な存在」を想定しているという。

 新しいクチュール・ハウスは、仏パリのサンジェルマン・デ・プレのユニヴェルシテ通り24番地に完成した。1685年に建築家トマス・ゴベールが設計した建物を、スリマンが3年かけて改装した。18世紀の歴史的要素と建築理念に基づいてデザインされた館で、「ホテル・セネクテレ」と名付けられた。

 アトリエは、同館の3階と4階にできた。ドレスメーキングとテーラリングのカテゴリーに分かれて、職人が仕事をする。制作されるクチュールピースは、メンズ・レディスを問わず、タキシードからイヴニングドレス、デイウエアまで幅広い。

 そのなかで、メゾンのクチュールピースとしてスリマンが認定したものだけに「イヴ・サンローラン」の織りネームが手縫いで付けられる。その全てにナンバリングが入る。

 クチュールピースを着る対象は、エディ・スリマンと親交のある俳優やミュージシャンになりそうだ。新作はブランドのウェブサイトのほか、レッドカーペットなどの公の場で披露される。

 クチュールサロンの復活に伴い、スリマンは「ル・ドゥ・ユニヴェルシテ」と題したクチュール・キャンペーンビジュアルを撮影した(写真)。新しいクチュールサロンと庭園を舞台に、メゾンを象徴するスモーキングルックと、新作の写真をウェブサイトで発表している。 

 アトリエの再生は、スリマンによるサンローラン・リフォームプロジェクトの一環で、その中心的な取り組みと位置付けている。



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