小規模な個店への注目が集まっている点も、若者の新たな消費傾向の特徴だ。SNSの発達やコロナ禍による世の中の停滞で、個人の趣味嗜好(しこう)が細分化した結果、大きなトレンドが少なくなった。そうした中で、自分らしさを表現できる独創的な個店に魅力を感じる若年層が増えてきた。
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21年7月に東京・下北沢の雑居ビルの2階にオープンした古着とセレクト主力のCCXは、売り場面積約15平方メートルの小さな店だ。強みは大手セレクトショップでバイヤーとしてキャリアを積んだ、店主の鈴木克哉さんよる、とがった品ぞろえ。珍しいデザインの古着や「オートミルズ」「エーマシーン」といった新興ブランドなどが揃う。気さくな性格の鈴木さんとの会話も客の楽しみの一つだ。