4℃ホールディングス ジュエリー事業浮上に手応え

2019/10/09 06:30 更新


 ジュエリー事業を再構築中の4℃ホールディングスに、回復の兆しが見えてきた。今上期(3~8月)は、微減収も営業利益は前年同期比10.1%増と上期としては3年ぶりの増益となった。拡大を狙う女性の自家需要での購買が増えているほか、令和婚や各種施策が奏功し百貨店を中心としたブライダルジュエリーの売り上げが伸びた。

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 9月には駆け込み需要も見られ、エフ・ディ・シィ・プロダクツの3~9月の既存店売上高は累計で3.3%増となり、「3年続いた既存店割れに歯止めをかけた」(瀧口昭弘4℃ホールディングス社長兼COO=最高執行責任者)としている。下期も、ブランド価値向上、自家需要拡大、ブライダルのさらなる競争力向上を掲げるとともに、店舗の圧縮に取り組む。好調なアパレル事業と合わせ、通期連結売上高473億円(前期比0.4%増)、営業利益51億円(2.3%増)を見込む。

 9月は、駆け込み需要もあり既存店売上高が24%増となった。これまでの増税時のデータから、「10月は反動減があるも、11月には回復する」と予測する。ただし、最大の商機であるクリスマス商戦は、売り上げのピークとなっていた23日が平日になるため、見通しをつけずらい。このため需要の早期刈り取りに重点を置く。昨年以上にテレビCMを強化し、雑誌でも芸能人らを起用したタイアップ広告を増やすなど、販促にも力を入れる。

 また、下期に入り「カナル4℃」のリブランディングに着手し、「カナル・プロデュースドバイ4℃」として、横浜ランドマークプラザ、福岡パルコの既存店をリニューアルした。オリジナルにクリエイタージュエリーを合わせたセレクト型業態で、「4℃」とは異なる層の自家需要を掘り起こす。今後シーズンに3~5店ほどを改装する。

 店舗の圧縮は、札幌、新宿、銀座などでエリア内店舗の集約で収益性向上を狙い、上期にジュエリー14、バッグ・革小物の「ルリア4℃」9を退店した。下期もジュエリー7、ルリア4℃で14の退店を予定し、期末店舗数は228(前期末259)になる見通し。



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