YKKのファスニング事業の22年度(23年3月期)連結業績は、売上高3801億円(前期比9.2%増)、営業利益416億円(1.7%減)、営業利益率11%(1.2ポイント減)を見込む。ファスナー販売本数は93億9000万本(8.7%減)となる見通しだ。為替の影響や値上げで増収したが、世界的なインフレや中国の市況低迷、アパレル生産調整の影響で減益となった。
第6次中期経営計画の3年目に当たる23年度は、売上高3962億円(4.2%増)、営業利益497億円(19.4%増)、営業利益率12.5%、ファスナー販売本数100億8000万本を計画する。
計画の実現に向け、次の中計も見据えた組織変更を実施する。「世界情勢と事業環境が想定以上のスピードで変化している」(大谷裕明社長)ため、「事業戦略本部」を新設する。各拠点の顧客の要望を迅速に把握し、それを実現する製造ライン設計やマーケティングに生かす。
営業本部は再編し、本部機能を「海外縫製の最前線」のベトナムに移転する。日本から約20人が異動するほか、ナショナルスタッフの採用を強化。より縫製地に近い場所で営業戦略を立案・遂行する。「ベトナムには世界のリテーラーが進出し、縫製アイテムも多様化している。周辺のバングラデシュも含めると加工輸出の市場は中国と同等で、将来的には超える。その需要を捕捉する」考えだ。
=詳細は3日付繊研新聞電子版で