歌手で声優の小林愛香さんがディレクターを務めるブランド「yipyip」(イップイップ)が好調だ。19年のスタート以来、小林さんのファンを中心に顧客を増やしている。9月末~10月上旬に東京・原宿のセレクトショップ、エルエイチピーWで開いた期間限定店も、初日から完売商品が出るほど盛況だった。
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イラストレーターとしても活躍する行場ユミ氏をデザイナーに迎え、小林さんと共同で商品を企画している。ファングッズとはまた違った魅力のユニセックスのアパレルや雑貨などが、「身に着けていると人からほめられる」と好評で、毎シーズン購入する客が多い。
大手ライフスタイルショップと協業で生産・販売していたが、24年秋冬からDtoC(消費者直販)へ切り替えた。「ファンの方はもちろん、自分を知らないファッション好きにもアプローチしたい。セレクトショップなどと組んだ期間限定店や協業アイテムでなどで新規開拓を狙う」と小林さん。
生産背景も変え、商品の幅を広げた。人気商品のTシャツやパーカなどを継続しつつ、ジレとドッキングしたテーラードジャケット(税込み2万2000円)や、それとセットアップで着られるスラックス、スカートなど、大人っぽいアイテムも増やした。
エルエイチピーWでの期間限定店では、初日の9月28日に小林さんの来店イベントを開いた。多くのファンでにぎわい、ダウンジャケットやマフラーなど、先物の購入も目立った。
今後はフリーサイズのユニセックスアイテムだけでなく、メンズ・レディスアイテムも強化する。サイズ展開も増やし、よりフィット感を楽しめる商品を増やす考えだ。「将来的な目標は実店舗を持つこと。着てくれる人と一緒にブランドを成長させたい」と話す。