安田倉庫 帝人フロンティアから帝人物流を買収

2025/12/09 17:00 更新NEW!


 安田倉庫は、帝人フロンティアから帝人物流の全株式(普通株式16万株)を65億円で取得し、完全子会社にする。株式譲渡実行日は調整中。

 安田倉庫グループは中期経営計画でさらなる成長に向けた事業体制の構築を目指している。帝人物流は80年の設立で、西日本を中心に拠点を持つ。帝人グループをはじめ、繊維、樹脂、フィルム、医薬・医療機器分野を中心に倉庫保管サービスや運送サービスを提供している。

 安田倉庫は今回の株式取得で成長に向けた新領域への参入やネットワーク拡充などを目指す。両社の物流施設、輸配送ネットワークや顧客基盤、物流ノウハウを融合することで、安定した総合物流サービスが提供できると判断した。

 帝人物流の前期(25年3月期)業績は、売上高93億5300万円、営業利益2億8100万円。この間、減収基調ではあるものの増益を続け、安定して2億円台の利益を出していた。物流業界は構造的な労働力不足などの課題を抱え、変革期にある。国内外に豊富な物流アセットとネットワークを持つ安田倉庫グループに加わることで、より柔軟で高度な物流サービスを提供し、発展が期待できるとみる。今回の買収で、事業内容や経営方針、業務執行体制や取引先との取引条件などに変更はないという。

 帝人フロンティアは、旭化成アドバンスとの経営統合も含め、今後の成長を見据えて事業の見直しを進めている。



この記事に関連する記事