富山発の雑貨と服のブランド「WRAP」(ラップ)は黒部市に構えるアトリエショップやイベント販売などでブランドの魅力をダイレクトに伝え、共感するファンを増やしている。生地マニアの2人が個性的なデザインや質感の生地を世界中から収集し、コンセプトは持たずに自分たちの感覚を大切にしたハンドメイドの商品を届ける。
(大竹清臣)
同ブランドは東京などのセレクトショップで販売・バイヤーに従事していた荻野淳也さんとインテリア企画や衣料品縫製の経験がある荻野瞳さん夫婦が18年に設立した。バイヤーをしていた頃に「新しいものを探すよりも、自ら世の中にないものを作り出したい」と考え、ものや人を包む布を使ったブランドを立ち上げた。インテリアから服飾雑貨、洋服まで提案する。ホテルのアメニティーに採用されたほか、地元の美容師のエプロン、飲食店のユニフォームも製作している。

イベント販売は2カ月に1回のペース。客層は様々なファッションを経験した大人世代が中心。「期間限定店が乱立し、クラフト系作家も玉石混交なので、安易なイベント出店は断っている。出るときは什器から準備するなど空間を含めたブランドの世界にこだわっている」と荻野さん。昨年冬には10年前に勤めていた千葉県柏市のセレクトショップ「アイスリー」でイベントを開いた。限定品の販売とともに、自家製の富山料理もふるまった。
ファッションカテゴリーの商品では、イタリアのブランケット生地を使ったポンチョやドレスがある。ポンチョはウール混のパネルプリントされた生地を裁断せずに正方形で使い、シルエットを計算したフロントのフックで留められるようになっている。税込み7万4800円。すでに完売した1着限定のノーカラージャケットは、毛足の長いウールシャギーの軽くソフトな生地を使った。編み機で製作したジャケットの端に手編みでテキスト入りの不織布テープを編み足したものをパイピングテープにした。ニットの風合いを生かすために手縫いで縫い付けた。裏地にはビンテージの要素もある総柄で、滑らかなレーヨン・キュプラ生地を採用した。11万円。

また、ボクシンググローブをモチーフにした手袋は、外側がファー、内側にフリースを使用している。フォルムを再現するため、中わたが入っているので防寒性も高い。長さ調節できるストラップ付きなので、使用しないときは首からかけて小物入れやポシェットとしても使える。1万7600円。
レトロなキルト生地を使った洋服の形をした巻物は、だまし絵のように一見するとパンツやプルオーバーのアイテムのようだが、着ることはできない。その分、肩や首、腰に自由に巻くことでスタイリングのアクセントになる。そのほか、端切れのシルク100%生地を使ったトランクス(9900円)や、シンプルな長方形の生地8枚をつなぎ、上を留めただけの帽子もある。

