大阪・新町の古着屋「タマゴストア」 12平方メートルに光る目利き

2026/06/10 11:00 更新NEW!


「性別関係なく自由に着てほしい」との思いからメンズ、レディスの区別はしていない

 大阪市西区新町にある雑居ビルの7階で店を構える古着屋「タマゴストア」。約12平方メートルと非常にコンパクトな店ながらも、独自の目利きで買い付けた古着が好評で顧客をつかんでいる。古着にオリジナルのドローイングを施す取り組みは、アパレル企業との協業にもつながっている。

(藤本祥子)

 オーナーの寺澤童玄さんは、日本のデザイナーブランドの販売員出身。35歳で独立するという目標を掲げ、21年からビンテージアイテムのネット販売を始めた。知り合いのアクセサリー店で期間限定店を開くようになり、23年10月に実店舗を設けた。パートナーの富田洋子さんと2人で、店の運営や買い付けをしている。

パートナーの富田さんとオーナーの寺澤さん

個性的だけでもない

 店内には、主に米ポートランドで買い付けた古着が揃う。Tシャツやジーンズといった定番品から、好んでセレクトしているという以前の持ち主による刺繍や装飾の手仕事が加わったアイテム、トレンドを意識したレイヤードで使えるスリップドレスなどと幅広いのが特徴。中心価格は1万~2万円で、手に取りやすい数千円のアイテムもある。海外発の新興ブランドの新品も一部扱っている。

 バイイング基準は、「〝売れるか〟よりも、クローゼットにあったらテンションがあがるかどうか」。「若い頃は古着好きだったが、今は服装で悩んでいる同世代の30~40代」を想定し、もう一度ファッションを楽しめるきっかけになる品揃えも意識している。

 トータルコーディネートで提案するより、あくまでもその人に合った単品を見つけてもらうのが店のスタンス。「個性的な店だと思われがちだが、そうでもない。クローゼットにうちのアイテムが一つあれば、スタイリングの幅が広がるくらいの感じ」だという。

以前の持ち主が自分で縫い付けたと思われるカエルのモチーフがあしらわれたプルオーバー。「買い付けでときめいた」と話す

一点物へ描き替える

 洗っても取れない古着の汚れや、ダメージをポジティブに変換したいと約5年前に始めた「タマゴドローイング」は、同店ならではの取り組み。油性ペンや布ペンを使い、絵を描くのが好きな寺澤さんの感性で表現する。日常になじむようなカジュアルな絵のタッチを得意とする。ドローイングを施した古着のジーンズやTシャツは、店頭やECで販売している。

ドローイングを施したビンテージジーンズ(税込み2万5900円)

 手持ちの服にドローイングを施すイベントも定期的に開き、依頼者から口頭や文章で表されたイメージをもとに、絵を描いていくスタイルだ。オーダー内容は、ペットや世界旅行など多様だという。1点当たり税込み1万4300円で受けている。

 ファッションブランド「クリンクルクリンクルクリンクル」や、「サロン・アダム・エ・ロペ」と協業し、ドローイングアイテムを期間限定で販売したこともある。25年7月には台湾にある古着屋の「0311ビンテージ&ユーズドクロージング」でイベントを開いた。「声が掛かれば、協業はやっていきたい。様々な国で期間限定店も出したい」と意欲を見せる。

 9月には初の自主企画として、同店が呼びかけた複数のショップと共に期間限定店を東京で開く予定だ。

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