ワールド・モード・ホールディングス(WMH、加福真介社長)は、日本企業のベトナム進出の経営コンサルティングなどを手掛けるワンバリュー(東京、フィ・ホア代表)と業務提携契約を結んだ。ファッション領域で総合的に様々なサービスを提供し、ベトナムに海外拠点を持つWMHと、ベトナム進出支援で高い実績を持つワンバリューが両者の強みを生かし、小売業のベトナム進出を支援する。
ベトナムの人口は23年には1億人を突破する見通しで、最近の経済成長率は年6、7%の高水準で推移している。消費をけん引する中間層や富裕層が増え、ラグジュアリー市場の大幅な成長が期待されている。日本政府観光局の推計値ではベトナムからの訪日旅行客数は、今年に入ってコロナ前の19年を上回り、さらに増加中だ。インバウンド(訪日外国人)売り上げも東南アジアの中で上位に入っている。一方、日本で働いているベトナム人は22年に46万人に達し、中国を抜いて1位となっている。
これらの現状とベトナムに約2000社の日本企業が進出していることを背景に、今回の業務提携契約を締結した。
ワンバリューは、ホア氏が代表を務めるベトナムのECサイトで多くの日系企業が利用している「グローバル2Me」を活用。現地でのオンラインを使った販促や販売を支援する。WMHは傘下のベトナムの大手人材会社、ピープルリンクを通じ、人材サービスや販売代行など商品販売のための解決策を提供。両社で連携し、ベトナムで現地法人の立ち上げから、商品のオンライン、オフラインの販売まで、全面的にビジネスを支援する。
ホア代表は、日本での就労を目指すベトナム人に教育を紹介するインフルエンサーとしても知られる存在。日本のファッション小売業向けに豊富な教育プログラムを提供するWMHは、ワンバリューを通じて日本で就労するベトナム人への研修も行う予定。またベトナムでライブコマースを行うワンバリューのノウハウを生かし、WMHグループのベトナム現地販売員を対象に、就業機会の拡大に向けてライブコマース研修も実施する。