欧州ファッション産業 ウクライナ危機で供給網への影響とコスト高を懸念

2022/03/04 10:59 更新


 【パリ=松井孝予通信員】欧州ではロシアの侵攻によるウクライナ危機で「戦争」という言葉を使い、ウクライナへの支援策とロシアに対する経済制裁について論議が続いている。

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 ブリュノ・ル・メール仏経済・財務大臣は、EU(欧州連合)の経済制裁による跳ね返りは限定的だろうと発言した。フランスからロシアへの年間輸出額は70億ユーロと全体の1%、ロシアからの輸入額は100億ユーロと2%にとどまる。

 欧州ラグジュアリーセクターは、ロシア市場よりもコロナ禍に続く地政学的危機の余波を懸念している。大手調査会社の調べによると、世界ラグジュアリー市場でロシアの占める割合は1~2%程度。欧州ファッション産業は、ウクライナのサプライチェーンへの影響を最も心配している。アジアに代わるソーシング基地となった同国はテキスタイル企業2500社を抱え、20万人が従事する。同時に、石油・ガスの高騰はさらに続くと見られ、生産コスト高への対応が迫られる。



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