ワコール中国、内販の収益性高まる

2014/12/03 06:41 更新


 【上海支局】ワコールの中国法人、華歌爾中国時装の内販事業が順調だ。今年上期(1~6月)売上高は前年同期を4%下回ったものの、通期ではプラスになる見込みで、営業利益も前年に黒字転換した実績を大幅に上回りそうだ。中国法人が企画する商品を増やした結果、精度やプロパー販売比率が上がり、材料の調達先としてローカル企業を増やしたことで原価が低減した。販売効率の低い店舗を閉鎖し、ネット販売の比率を高めたことも収益を押し上げた。

中間層の開拓を狙う「ラ・ロッサベル」
中間層の開拓を狙う「ラ・ロッサベル」

 倹約令の影響で5月までは前年割れ。特に単価が800元(1元=約19・2円)以上の高級品「サルート」は約20%減と苦戦した。それをカバーしたのが「ワコール」のキャンペーン商品。18万人の会員に限定でメールを発信し、買い上げ額に応じて割引した。経費をかけない販促が奏功した。

 日本企画ではなく中国企画を増やしてきたのも大きな要因。07年に30%だった比率を12年に74%、14年には92%まで高めた。中国人デザイナー28人を擁し、現地の女性の好みや体形に合わせてきた。企画の途中でモニターに着用してもらい、練り直すことで精度が格段に上がった。

 13年の売上高は5億5000万元(前年比4%増)、営業利益は640万元と黒字化した。収益の改善には材料の仕入れ先の変更も寄与した。日本からの輸入が12年に20%を占めていたのを14年には16%に減らした。中国内の日系企業からの調達を増やし、さらにローカル企業にシフト、中国企業の比率を12年に15%、13年に32%、14年に35%と高めてきた。「デリバリーや品質などを確かなものにするまで時間がかかった」(矢島昌明総経理)が、粗利益率の改善につながった。

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