【入社半年経って、今は?】「イルビゾンテ」営業担当 伊藤優希さん 社員の「人の良さ」に活力

2024/11/15 00:00 更新


入社以来、人で嫌な思いをしたことは一度もないという伊藤さん

 失敗の数だけ成長できる。いち早く実践を積んで独り立ちしている新入社員の活躍が目立ってきた。入社から半年ほど経ち、24年度の新入社員に仕事のやりがいと今の心境を聞いた。

全米優勝チアダンサーから頼れる営業に

 「イルビゾンテ」の営業担当、伊藤優希さん(ルック事業本部D.C事業部イルビゾンテ運営課)。総合職で入社後、わずか3カ月で表参道、代官山、北千住、柏の4店を一人で任せられた。大抵、配属希望書には、好きなブランドや憧れの職業として名高いプレス職を記入する人が多い。しかし、伊藤さんは「人事一任」のひとことのみ。ルックの「人の良さ」を実感したからこその答えだった。

「誰と働くか」

 大学生時代は部活漬けの日々。それもそのはず、幼稚園の頃から習っていたチアダンスで、大学生時代に全米の大会で優勝した経験がある。だが、「仕事となると教える立場になる。競技をするのは好きだけど、教えるのはあまり得意ではない」と、チアダンスの道を勇退。興味のあったアパレルと化粧品会社の2軸で、就職活動を行った。

 ルックに目を付けたのは、「昔から大好き」なイルビゾンテがあったから。他社を含めて面接を進めていくなかで、ルックの人事担当者が常々話していた「ルックはすごく人が良い会社」という言葉が心に残った。「誰と働くかが大事だよ」という母の教えがあったからだ。いくつか内定をもらっていたが、そんなルックの人の良さが決め手となり、入社を決めた。

 人の良さは「入社してからより強く感じた」。同社の総合職は、2、3週間の全体での研修を終えた後、即本社勤務。数カ月後に営業は独り立ちというスピード感だ。そのなかで、「困ったら隣の席にいる先輩がすぐに助けてくれる。店舗スタッフも良い部分、悪い部分をはっきり言ってくれる」など、優しさだけじゃない愛があった。「この会社ならどのブランド・職種でも楽しく働ける」と、半年経ってなお感じている。

20年5月にリニューアルした旗艦店の表参道店

スタッフと密に連携

 営業としての主な仕事は、担当している4店の予算の設定、売り上げの管理など。人員の管理や事務的な作業も行っている。店舗スタッフや店舗が入る館の担当者と、本社スタッフ間の橋渡し役という側面もある。とにかく店舗に足を運び、営業をサポートし、売り上げを伸ばすことがキーだ。

 当初は、上司に「店舗に行きなさい」と言われても、「何をしに行けばいいかわからない。やることがあいまいで、すごく不安だった」という。大半のアパレル企業の総合職だと、まず店舗での研修期間があるが、それを経験しないまま、営業担当に就いたからだ。そのため、「店舗スタッフの皆さんがしてほしいこと、何をされたら嫌なのか」を知ることから始めた。

 実践で習得していくからこそ、失敗もあれば、学ぶことも多い。各店の店長と一つでも多くの会話を重ね、理解を深めていった。今は「売り上げを伸ばすためにどのようなことをすればいいのか、未来の話をするのが楽しい」。

 実際に、店舗スタッフとともに欠品している商品や、どのようなものがあればもっと売れるかを探して商品を補充してもらったとき、売り上げの拡大につながったことがあった。営業担当として「頼ってもらえたときにやりがいを感じる」と笑顔を見せる。

 今の目標は「ロジカルに話ができる営業担当」。1カ月ごとに客数や客単価などもっと細かく目標数値を設定し、予算を落としたときに「ここがこうダメだった」と数字できちんと出せるようになりたいという。ギフト需要などの新規客やインバウンドの比率が高まっているため、顧客を増やす施策にも力を入れていきたいところだ。

 伊藤さんは、様々な職種があるなかで、入社前から「基礎的な部分を養うにはやっぱり営業が一番」と考えていた。現職に就き、「良いスタートを切れた。営業職を極めて、いずれはMDやプレスなどクリエイティブな仕事にも挑戦してみたい」と先を見つめる。

(繊研新聞本紙24年11月15日付)

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