ワコールは21年秋冬、国内のブランドを九つの基幹ブランドに集約・再編する。基幹ブランドの一つとしてプレステージゾーンに向けたインナー主力の新ブランド「Yue」(ユエ)を発売する。
(壁田知佳子)
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7月15日に東京で記者会見した伊東知康社長は、「ECも含めて消費行動が変わり、価格と販路を前提にした従前のブランド体制ではブランドとお客様の結びつきが不十分だ」と再編の背景を説明し、「次の成長に向けて、顧客との接点の先頭に立つブランドを九つに集約した」と述べた。基幹ブランドは「ワコール」「ウイング」「アンフィ」「サルート」「ワコールサイズオーダー」「ワコールメン」「CW-X」「ワコールリマンマ」と新ブランドのユエ。基幹ブランドを構成する「構成ブランド」(パルファージュ、ルジェなど)を含めたブランド数は37となり、19年春夏と比較すると約3割削減した。今後、海外でもブランド再編を進める意向だ。
ユエは、「日常の中の豊かさや心地よさ」を提供するラグジュアリーブランド。ブランド名は「由縁」から着想し、素材・技法・サービスのすべてにおいて納得する〝理由〟があるという意味を込めた。手洗いできるシルクインナーや極細のナイロン糸を使ったブラジャーのバック素材など厳選した上質な素材を使い、心地良く体にフィットする設計、福井と長崎の同社工場のベテランオペレーターによる縫製など、「すべてが高い次元でバランスが取れている、心地良い美しさや体験」の提供を目指す。
ブラジャーで税込み1万1000~3万3000円。ブラジャー、ショーツ、ランジェリーを中心に、ナイトウェアやアウターも揃える。
21年8月から百貨店を中心に、専門店、直営店など92店で販売する。公式ECではバーチャルブティックも設ける。25年3月期の計画は売上高50億円、EC比率30%。