日本プロ野球の交流戦が終わった。今年も上位6球団のうち、指名打者(DH)制を採用するパ・リーグの5球団が占めた。制度の違いだけで勝敗が決まるわけではないが、長年の積み重ねが戦力差として表れているようにも見える。
DH制は投手の負担を軽減し、優れた打者の出場機会を増やす。得点が入りやすくなり、試合の魅力向上にもつながる。人気で劣勢だったパ・リーグは75年に導入した。セ・リーグは「9人野球」の伝統を重んじ、長く採用を見送ってきた。
しかし、米大リーグは両リーグともDH制となり、国際大会でも主流となった。交流戦ではリーグ間の実力差も指摘されるようになり、セ・リーグも27年から導入を決めた。伝統が否定されたのではなく、時代とのずれを修正した結果と言えるだろう。
こうした例はファッション業界にも重なる。経営環境が大きく変化する中では、従来のやり方を守るべきか否かの議論が続く。伝統は、時代に合わせて進化させてこそ、本来の価値を未来へつなぐことになるのではないか。
(樹)
