古着屋をめぐるのがまた一段と楽しいと感じるようになった。学生時代は部活動で忙しい合間を縫って休みのたびに通っていたが、しばらく足が遠のいていた。最近は、ビンテージと呼ばれるものからデザイナーブランドのアーカイブまで品揃えに特徴がある店がたくさんある。
コロナ禍以降、古着屋の数は爆発的に増えたが、直近では下北沢などで閉店が相次ぎ、一時の熱狂は落ち着きつつある。店舗の急増による競争の激化や、売り上げの伸び悩みで家賃を賄えないケースも多いという。特にこの盛り上がりの中でオープンした店の閉店が目立つようだ。
それでも、淡々と営業を続ける店がある。そもそもブームに乗じて人の流れだけを頼りに出した店が多かったのではないか。そうした店には、客が楽しみに訪れるだけの商品力があったのだろうか。
あるバイヤーは「改めて目利きが大事になっている局面だ」と話していた。客がバイヤーの審美眼を信頼し、新たな発見や着る喜びを得られるような店こそ、ブームを超えてこれからも街に根づいていくだろう。
(平)
