本紙が掲載した24年度SC売上高ランキングによると、引き続き9割の施設が増収となり、勢いが続いていることが示された。価格上昇やインバウンド需要に支えられており、過去最高となったところも少なくない。
そのにぎわいを見ていると、コロナ下にいわれたECの拡大によるリアルの後退は限られたようにも感じる。もちろん多様な体験を提供するイベントや、買う場だけでなく過ごす場とするような環境の整備など各施設が集客に努めてきた効果が大きいのは間違いない。そして、建築費の高騰によって極端に新施設の開発が減っていることも有利に働いていると考えられる。商圏の変化に左右されず、がんばれた。
引き続き集客策に力を注ぎ、今期も勢いが続いているようで、今後の持続的成長につなげたい。人口動態の課題はもちろんのこと、開業ラッシュだった00年代までに開業したところが多く、老朽化、陳腐化といった懸念があるが、新規が少ないからこそ高まる既存施設の価値を生かせるのではないか。
(光)