調査会社コアサイトリサーチによると、米国では今年、1万5000の小売店が閉鎖され、新たに5800が開店する予定だ。昨年度の7355店閉鎖、5970店開店と比べても、開店より閉鎖が約3倍近く多くなる。
コロナ禍以降、利便性の高いECの拡大で消費は大きく変化した。かつて百貨店が流通のアンカーとされた時代は終わった。郊外のショッピングモールは、空室が多く見られるようになった。今年は、既に2000の小売店が閉鎖しており、破綻した大型店パーティシティや、家具のディスカウント店ビッグロッツの他に、百貨店はメーシーズ66店、コールズ27店の閉鎖が予定されている。
空きテナントの多いBグレードといわれるモールでは、ウォルマートなども買収に参加。サイモングループなど開発会社による改装・再開発が始まっている。新たなテナント候補は、小売りは好調なオフプライスストアや食料品店、レストラン、ジム、医療施設、エンターテインメント店など。
サンフランシスコ郊外のモールでは、近隣住民の同意が得られれば、上層階をマンションなどの住居に、下層階に小売店を入れる計画がある。米国のモールは、いま大きく変化しつつある。
(立)