「3、4年働いて仕事を覚えたころに辞めてしまう」。あるアパレルメーカーのトップと雑談していた時の話だ。うなずく経営者や人事担当者も多いだろう。理由は様々で、「違う業界で働く」ことを選ぶ人が目立つそう。
話で出たのが「軽さ」。もちろん本人の葛藤はあるだろうが、例えると「サークルを移るかのような感覚」で辞めていくという。
前職で培ったスキルを生かせる会社や業界に転職できればいいが、そうでなければまた下積みが始まる。新しい会社になじむのにも相応の時間がかかるだろう。
それを繰り返しているとあっという間に30代、気付くと40代だ。独立するならまだしも、勤め人だとキャリアが同じ場合、現実的には年齢が若い方が採用に有利に働くことが多い。トップの言葉は「その転職は本当に真剣に考えているのか」という心配にも近い問いかけだろう。
新しいことに挑戦する姿はいくつになっても格好いい。「人生100年」といわれる時代だ。一方で、年齢を重ねることで変わる価値観もある。年が明けて25年。自らのキャリアに向かい合ってみるのもいいかもしれない。
(森)