《視点》新原料より安く

2025/01/09 06:23 更新NEW!


 しまむらが衣料品の回収を拡大している。24年6月から7月にかけて、本社のあるさいたま市と周辺の9店で実験、11月11日~12月15日には関東を中心にした200店に広げている。

 同社は商品を残さず売り切り、在庫の廃棄処分を行っていないことに加え、ハンガーや資材のビニールのリサイクルを行っている。さらに、買い物が困難な地域や介護施設入居者などに向けた出張販売、買い物ツアーの実施も全国に広げてきた。ESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みとして衣料品回収は「最後の課題」(鈴木誠社長)だった。それをカイタックファミリーの「ムダゼロ」プロジェクトを通じて実現している。

 回収した衣料品は糸、生地にもリサイクルされる。ゆくゆくはこの仕組みを通じて作られた衣料品をしまむらで販売することも構想している。ただそこでは「新原料を使ったものより安くすべきだろう」という。プラントの拡大をはじめ課題はいくつもあるだろうが、コストがかさむことを当然視せず、持続可能な経済合理性を追求する。

(光)



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