レディス専門店を取材すると、24~25年秋冬はダウンやロングコートを減らし、薄手のセーターやベストなどを増やす店が多い。昨年は残暑が長く、暖冬だったからだという。確かに今年の夏も猛暑で、セールが終わった8月末も晩夏物が売れていた。しかし、冬も昨年と同じになるのだろうか。
「暖冬だった翌年の冬、想定外に寒かったことは過去にもある」という記者の上司の言葉も気になった。9月上旬時点の気象庁の情報を調べると、25年2月までラニーニャ現象が発生する可能性が高く、そうなると厳しい冬になるとの予想もあるそうだ。
気温は確かにファッションの売れ行きを左右する。しかし実際は気温に関係なく「可愛い」や「かっこいい」を基準に買い物する客も結構多いと思う。
次のシーズンの服を半年前から企画するこの業界では、そもそも前年踏襲で商品を作ることはリスクになるのではないか。気温もトレンドも前年と同じではないことを前提に、客の心が動く、新鮮な商品を作ろうとするほうが大事かもしれない。
(相)