EU(欧州連合)は昨年12月、持続可能な製品のための「エコデザイン規制」の見直しについて暫定合意に達した。アパレル事業者が売れ残った衣服や付属品、靴を廃棄することを禁じるもので、今後新たな規則の制定作業に入り、制定から原則2年後には廃棄を禁止する。
これまでもEUは「サステイナブル(持続可能)な経済・社会の実現に向けたグローバルリーダーを目指す」と掲げており、SDGs(持続可能な開発目標)に関する国際的な議論と実践を常にリードしてきた。
EUはSDGs実現のための諸制度を先んじて設計し、実践していくことによって、諸制度をグローバルスタンダードにしようという意図がある。〝制度間競争〟における優位性を得ることで、EUの経済を発展させていく。「世界における強固な欧州」を構築するしたたかな戦略だ。
この競争にいかに臨むか。日本の繊維・ファッションビジネスの施策が問われている。
(民)