食品スーパーなどで価格競争がまたもや激化しそうだ。統計を見るまでもなく、物価高は皆が強く実感している。そこで「応援」などと称して値下げされると、その店に行ってしまうのは間違いない。激しい競争の中で各社、懸命に集客に努めるが、価格への感度を高めている消費者には値下げが何よりも効果がある。
けれど、原材料やエネルギー価格の高騰のもとで出口と考えたのは、物価だけでなく賃金も上がる好循環だったのではないか。長期間にわたって賃金が上がっていなかったゆがみが強く意識され、最低賃金の引き上げにつながっているが、全体を押し上げるまでには至っていない。
少なくとも低価格を手放しで喜ぶことはあまりなくなったと思ったが、収入増が実感できない期間が続き、値下げの動きが再び勢いを得そうな気がしてならない。
好循環の前提は店頭につながる多くの産業で持続可能性が担保される価格転嫁に他ならない。ならば簡単に売価は下がらないと思う。せっかくの流れを止めてはいけない。
(光)