《視点》自力の集客で

2023/09/26 06:23 更新


 青森県八戸市の中心市街地で大型の商業施設が2館閉館した。昨年9月に館内の専門店がすべて、今年1月には映画館も閉まった。さらに影響が大きかったのはチーノのすぐそばの百貨店の三春屋の閉店だ。食品に強い店で、一般客だけでなく、三春屋の食品を買い付けていた飲食店も多かった。経営母体が変わり、店の路線を変更して売り場を徐々に縮小していたが、顧客離れが進み再生を断念したという。さくら野百貨店とすみ分けができていたが、中心市街地の片輪がなくなり、三春屋やチーノはちのへ周辺で連鎖閉店が進み、周辺エリアの人通りが一気に減った。

 商工会議所は今後は商業に依存しすぎず、滞在型施設やイベントなどのコト体験など多様な取り組みで来街促進を進めていく考えだ。実際、今夏4年ぶりに開催した三社大祭はコロナ前を超える盛況ぶりで、八戸の食に関心を持つ旅行者も急回復しているようだ。

 ただ、商業はある程度の高い頻度で来客が見込めるが、商業以外で日常的な来街者を集めるのは簡単ではない。専門店もいくつか残っているが、多くは自力で集客しているところが多い。中心市街地の商業が縮小するなか、商店は自力での集客が一層、求められそうだ。

(武)



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